【小説】十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA /貴志 祐介

254.十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA /貴志 祐介
秋の夜長に、ゾクリとホラーでも

といっても、もう季節は晩秋へとなりつつですが

立て続けに、
何作かホラー小説を読んでおりまして、
前回『凶宅』に続いての2作目

第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作を受賞した、
貴志 祐介さんの『十三番目の人格』

『ISOLA 多重人格少女』と改題され、
映画化もされた作品ですね

貴志 祐介さんのホラー作品で、
過去手に取った作品は『黒い家』『悪の経典』がありますが、
人間の狂気であったり、
『悪の経典』は、後半かなりのスプラッターだった覚えがありますが、
はてさて、今作はどんなホラーが楽しめますかね

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ストーリー紹介 (BOOK紹介より)
賀茂由香里は、
人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。
その能力を活かして阪神大震災後、
ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、
西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。
由香里は、
千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。
このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、
しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。
だがやがて、
十三番目の人格「ISOLA」の出現に、
彼女は身も凍る思いがした。
第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。
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みかん的評価:







(みかん的評価についてはコチラ)
面白い


今作は、
貴志 祐介さんの記念すべき小説デビュー作だった訳ですが、
素晴らしい完成度で

ホントに読みやすくて、
最初から最後まで、
作品にグイグイと惹き込まれ、
文庫で400ページを超えるボリュームですが、
一気読みでしたね

これまでに、
『新世界より』『悪の経典』といった、
今作を軽く超える長大作も読んできましたが、
いづれも、作品に惹き込まれ一気読みしたのを覚えており、
貴志 祐介さんの筆力は、
デビュー当時から本物だったという事ですねぇ

して、内容ですが

多重人格者やら、
相手の考えている事が読み取れる、サイコパスやら、
更には、幽体離脱まで絡んでくるという、
なんだか、超能力バトル的な物語なのですが・・・
(って、バトルはありませんよ。なんとなく言ってみただけで

これが、うまい具合に絡んできて、
ミステリーもありつつ、オソロシホラーを堪能できる作品になってますねぇ

まず、多重人格者(千尋)にサイコパスの能力持つ人物(由香里)が出会う

という設定からしてウマイですよね

相手の心が読めるので、
直ぐに多重人格者という事を見抜き、
更には、複数ある人格の性格を解読し統合させ、
普通の人となれるよう、
多重人格者を救おうと奔走するのですね

12もの人格が判明し、性格も解り、
治療という言葉がいいかわかりませんが、
良い方向へと向おうとした矢先、
謎の殺人事件が連続して発生

いづれの殺人事件の周りには、多重人格者である千尋の影が・・・
13番目登場ですねぇ

ここから、
何故、13番目が存在したのかというミステリーと、
13番目が持つ怖ろしい能力というホラーとが、
堪能できて、ホント面白いです

もちろん、それまでの、
12もの人格を紐解く展開で、
完全に作品に惹き込まれてる自分がいますけどね

そして、ラスト

まぁ、ホラーの定番といいましょうか・・・
やっぱり、ハッピーエンドは無いというね

ゾクリで終われて、よかったよかった。ってね

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65.悪の教典 上/貴志 祐介 (2012.07.09)
51.黒い家/貴志 祐介 (2012.05.11)
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