【小説】警官の血/佐々木 譲
![]() | 警官の血〈上〉 (新潮文庫) (2009/12/24) 佐々木 譲 商品詳細を見る |
2008年『このミステリーがすごい!』で1位となった、
佐々木 譲さんの代表作の一つですねぇ

前回、佐々木 譲さんの作品『笑う警官』を読んだのが、
もう、2年も前になるのですが、
その時から、
佐々木 譲さんの作品を読むなら、
今回の『警官の血』が読みたいと思っていた次第で

テレビドラマ化もされた、上・下巻の長大作

はてさて、どんな警官ドラマが待ってるでしょうか

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ストーリー紹介 (BOOK紹介より)
昭和二十三年、
警察官として歩みはじめた安城清二は、
やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。
人情味溢れる駐在だった。
だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。
その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。
だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。
大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。
三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ。
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みかん的評価:







(みかん的評価についてはコチラ)
親子3代にわたる警察官の物語

てことで、作品のボリュームといいスケールといい、
かなり壮大な作品でしたねぇ

一代目の安城清二を初め、
その長男、民雄。
さらに、民雄の長男、和也。
この3人それぞれの半生が、
それぞれの視点での3部構成といった感じで物語は進んでいきます

その半生の物語が、
生い立ち記録かのように丁寧に描かれており、
警察官になるまで、妻との出会い、警察での活躍と、
ホント、大河ドラマって感じ

まぁ、血は繋がっていようとも、
三者三様の性格があり、ドラマがありって感じで、
地続きの中篇3つを読んだって感じもありつつでした

もちろん、ミステリ作品なので、
1代目・清二の時に起きた、
二つの迷宮入り殺人事件と、清二自身の死の真相という、
1本、最後まで通る大きな謎があるのですが・・・
まぁ、上下巻ある長編作品ですが、
先に書いたように、
3通りの警察官の活躍、
人情溢れる駐在さん、
神経をすり減らす、スパイ、
上司をも脅し正義を貫く、アウトロー、
てな感じの活躍が描かれ飽きさせない展開で、面白かったです

また、その世代での時代背景も、
丁寧に描かれ、物語に反映されており、よかったですねぇ

とまぁ、面白い作品なのですが・・・
正直、警察官3代にわたる脈々と受け継がれる血の物語としてみると、
ちょっと、物足りなかったですかねぇ・・・

そのスケールの壮大感に期待しすぎましたかね

親から子へと、子から孫へと、
もっとハッキリと伝わる意思、受け継ぐモノ的な、
単純明快なドラマでも良かったかなぁ。。なんて

まぁ、要は私の頭が幼稚なだけですかね

3世代という流れの中での、盛り上がりってのは、
あまり感じれなかったのが残念

が、やはり作品自体の完成度は、
かなり高いのではないでしょうか

ホント、リアルな警察官の物語

一読の価値ありですね

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みかんの佐々木 譲
136.【小説】笑う警官/佐々木 譲 (2013.8.8)
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